ストレスに対する強さというのは人によって異なるもの。あの人が大丈夫だからといって自分が大丈夫とはかぎらないし、自分が大丈夫だからといって他の人が大丈夫とはかぎりません。
ストレス耐性という言葉がありますが、ストレス耐性が強ければいいのかというとそう単純な問題でもないのが人の心の複雑なところです。仮にストレス耐性が弱くてもストレス解消が上手であれば病気になりにくいかもしれませんし、ストレス耐性が強くてもコミュニケーション下手で問題ばかり抱えていれば病気になりやすいともいえるわけです。
また、ある調査によると、親が緊張症である人は、ストレスがかかった後のコルチゾールの値の上昇が継続しやすいというデータがあります。コルチゾールというのは人がストレスを感じたときに分泌されるホルモンですが、慢性的にさらされることで脳の海馬が委縮することがわかっています。
ストレス要因は環境要因や行動的要因のほかにも遺伝的要因もあり、またはその複合的要因によって変わってきます。体力が人それぞれ違うように心の体力も人それぞれ違うのです。心身に不調を感じるようなら、早めに受診を心がけたほうがよいと思います。